1.むくみとは
血液中の水分が必要以上に血管の外にしみ出し、皮膚と皮下組織内に溜まる状態をむくみと呼びます。長時間立ち続けていたときなどに起こる一時的なものと、心臓や腎臓、肝臓、甲状腺などの疾患が原因で起こるものがあります。日常的なむくみは、皮膚の上から指で押したときに、へこんでなかなか元に戻らないことで気付くことがあります。
2.むくみの症状
一般的なむくみの症状としては、「夕方になると足が太くなる」「朝起きると顔が腫れたようになる」「すねを押すとへこんだまま戻ってこない」などがあります。
3.むくみの原因
●長時間同じ姿勢でいる
心臓から送り出された血液は全身を回り、最後は心臓に戻りますが、心臓から遠い位置にある足は重力の影響を受けて、血管から血液中の水分がしみ出しやすく、また血管内に水分が戻りにくくなります。特に立ち仕事や飛行機の移動などで長時間同じ姿勢でいると、足の血流が滞るためむくみが起きやすくなります。
●塩分や水分、アルコールの過剰摂取
塩分や水分を過剰に摂取すると、血管の中の水分が増え、外にしみ出しやすくなるため、むくみを引き起こすことがあります。また、アルコールを飲むことで血管の透過性が高まり、血管中の水分がしみ出しやすくなるので、アルコールを過剰に摂取するとむくみやすくなります。
●自律神経の乱れ
精神的なストレスによって自律神経が乱れると、血行が悪くなり、むくみを引き起こすことがあります。
●女性に多いむくみ
足の静脈の血液は、足を動かすことによって生まれる筋肉のポンプ作用でスムーズに心臓へ戻ります。しかし、女性は筋肉量が少ないために静脈の血行が悪くなりがちで、むくみが起きやすいです。また、生理前や妊娠中、更年期にはホルモンのバランスが変化するため、自律神経の乱れから血行が悪くなりむくみが出やすくなります。
●薬の副作用
関節リウマチや喘息などでステロイド剤を飲むと、顔のむくみが起きることがあります。
●疾患が原因によるむくみ
むくみを引き起こす疾患としてよく上げられるものは
心臓の疾患…心不全
腎臓の疾患…急性腎炎やネフローゼ症候群
肝臓の疾患…肝硬変
ホルモンの異常…甲状腺機能低下症や更年期障害
などがあります。
その他、手術でリンパ管やリンパ節を切除した場合にも、局所的なむくみが起きやすくなります。