1.胃もたれとは
食べたものが胃から腸へなかなか排出されず、胃の中に留まっているために胃が重く感じ、不快感があらわれることを胃もたれといいます。主に胃から十二指腸への排出機能の低下によって起こりますが、慢性的に胃もたれを感じるようなときは、疾患が原因になっていることもあります。お酒の飲みすぎや甘いものの食べ過ぎ、ストレスなどによっても起こります。
2.胃もたれの症状
胃もたれの症状には、胃が重く感じたり、むかついたり、お腹が張ったりする症状が起こります。
3.胃もたれの原因
●食生活の乱れ
脂っこい食べ物や、刺激の強い食べ物、暴飲暴食や早食いなどが原因で胃もたれが起こることがあります。消化に時間がかかり、胃に負担をかけることで胃もたれを引き起こします。また、香辛料などの刺激物も取りすぎると不快感を感じやすくなりますので注意が必要です。消化の良いものや食物繊維の豊富な野菜などを多く摂取することは、胃もたれの改善に効果的とされています。
●自律神経の乱れ
ストレスを受け続けると胃や腸をコントロールしている自律神経が乱れ、食べ物を消化したり、胃から十二指腸に排出する役割をする蠕動運動が弱まります。また、機能が低下することにより胃の粘膜を守る粘液の分泌が少なくなり、胃もたれが起こります。
ストレスを解消するために暴飲暴食をすることは、胃に負担をかける原因にもなりますので注意が必要です。
●胃の機能低下
胃は食べ物を消化し、それらを蠕動運動によって十二指腸に送り出します。加齢や運動不足などが原因となり、胃の機能低下を引き起こすことにより蠕動運動を弱めます。その結果、胃もたれが起こりやすくなります。
●ピロリ菌の活動
ピロリ菌は胃の強い酸の中で生息する細菌で、胃酸から身を守るために常にアンモニアを出し続けています。ピロリ菌が出すアンモニアが胃の粘膜を繰り返し傷つけ、慢性胃炎を繰り返し、胃もたれの原因になります。また、粘膜が直接胃から分泌される胃酸と消化酵素にさらされ、胃潰瘍に進行していく場合もあります。
●女性ホルモンの乱れ
生理や妊娠などにより女性ホルモンの分泌が乱れると、胃の消化作用が弱まり、胃もたれを起こす場合があります。